【アルミニウム製調理器具の安全性について】
1.総論
アルミニウム製の鍋、フライパン等の調理器具につきましては、食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく器具・容器包装の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)により、その材質及び溶出試験に関する基準が定められております。
現行の基準を満たして流通しているアルミニウム製調理器具については、通常の家庭での使用において、健康に有害な影響を及ぼすおそれはないものとされています。
2.食品中のアルミニウムについて
アルミニウムを含有する食品添加物の用途と対象商品(厚生労働省データ)
| 用途 | 主な対象食品 |
|---|---|
| 膨脹剤(ベーキングパウダーなど) | 一部の菓子パン(メロンパンなど)、焼菓子(スポンジケーキなど)、 揚げ菓子(ドーナツなど)、蒸し菓子(小麦饅頭など、蒸しパン)など |
| 色止め剤 | 漬物(ナスの漬物、シソの実漬など) |
| 形状安定剤(煮崩れ等の防止) | 魚介類(たこ、いか、くらげ、うになどの魚介類)など |
| 品質安定剤 | 野菜等(芋、豆、ごぼう、れんこん、栗など)の煮物 |
| 着色料 | 食品全般 |
3.溶出について
アルミニウムは食品中にも自然に存在する金属であり、調理の過程においてアルミニウム製器具から微量が食品中に移行する場合があります。
なお、国際的には食品添加物の安全性を評価するFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において、アルミニウムの耐容週間摂取量(PTWI)は体重1kgあたり2mgと設定されており、通常の飲食によるアルミニウム摂取量はこの範囲内に収まるものと考えられています。
4.使用上の留意事項
ただし、以下の点については留意することが望まれます。
酸性の食品(例:酢やレモン、トマト等)を長時間調理又は保存した場合、アルミニウムの溶出が増加することがあるため、これらの用途にはステンレス製や樹脂加工された器具の使用が推奨されます。
表面に著しい傷や摩耗が認められる場合は、溶出量が増加するおそれがあるため、適宜交換することが望ましい。
5.アルツハイマー病等との関連について
かつてアルミニウムとアルツハイマー病との関連が指摘されたことがありますが、現時点において因果関係を裏付ける十分な科学的根拠は認められておりません。
6.国内での摂取量調査の結果(令和2年度~令和3年度)
平成 30(2018)年の使用基準改正後、経過措置期間の 1 年以上が経過し、加工食品由来のアルミニウ
ム推定摂取量は、高摂取者も含めて、小児で大きく減少し、成人においても減少したことが示された。
参考
・https://kikakurui.com/s/S2010-2013-01.html(JIS )
・https://www.mhlw.go.jp/content/001212847.pdf(厚生労働省)
・https://www.mhlw.go.jp/content/001073835.pdf(厚生労働省)
